LAの日本人街、Little Tokyoには「風月堂」という創業1903年の和菓子屋さんがある。お店は2023年の現時点で120周年、店主は4代目。立派な老舗だ。
私も2年前に日本から移住して以来、何度もお世話になっている。変な話、日本から来た家族や友人にも食べてみてほしいくらい美味しいと思う。
基本的には奇をてらわないものが多い中、とてもアメリカらしいものを見つけました。それがこちらのピーナッツバター餅。お餅の中に粒入りのピーナッツバターが薄く入っている。甘くないピーナッツバターに程よい甘さのおもちが意外にも心地良い組み合わせで、どこかほっとする味です。考えてみれば胡麻餡やクルミ餡、それこそ落花生餡だって存在するので不思議ではないけど、これを食べてほっとする自分に少しおかしみを覚えます。個人的には生クリーム入りのお餅よりずっと好み。
お餅の部分はただ可愛くピンクに色づけているのかと思ったらアメリカ人にとっての定番、「ピーナッツバターアンドジェリー」のイチゴジャムをイメージしたものだそう。アメリカ人の心を掴んで離さないアイディアでありつつも、アメリカ人の好みに合わせて激甘にしたり、餅の中身を山盛りにはしない。そんな粋なバランス感覚に感心します。